三井化学専用線(三池鉄道)ラストランイベント延期

 5月に廃止が予定されている福岡県大牟田市にある三井化学専用線では、ラストランイベントが計画されていたが、新型コロナウイルス禍の影響で延期されることになった。会社のホームページで告知された。

 三井化学専用線では100年以上前に製作された電気機関車がいまでも現役で使われており、たいへん貴重な産業遺産として評価されている。専用線は鹿児島本線の大牟田駅から博多方へ1.5キロほどのところにある仮屋川操車場から分岐している。かつて三池炭坑全盛期には、石炭を三池港へ運ぶ炭坑電車として使われてきた。国鉄が煙モクモクの時代に、直流600Vで全線電化されており、しかも複線であった。

 1997年の三池炭坑閉山後は炭坑鉄道としての使命は終わったが、沿線にある三井化学大牟田工場へタンク車による濃硝酸輸送が行なわれてきた。三井化学自体はまだまだ事業を継続してゆくのだが、その原料を供給する三菱化学黒崎工場が濃硝酸の生産を中止するため、鉄道輸送が廃止されることに決まった。鉄道輸送廃止後は、三池港まで船舶によって運び、タンクローリー(自動車)によって搬入が行なわれる。工場の操業停止ではなく、原材料の供給元の都合で鉄道貨物輸送が終わってしまうことは珍しい。JR貨物にとっても痛手だろう。

 わたしはかつて大牟田市に住んでいたが、三池鉄道の廃止はかえすがえすも残念である。専用線は旅客を乗せるわけではないので存在を知らない市民も多いと聞く。鉄道ファンの中でも貨物ファンは少数派かもしれないが、産業遺産として何とか残せないものかという模索が行なわれている。古典的な電気機関車の動態保存が今後の課題となろう。

 ところで、三井化学は地元では東洋高圧=略称・東圧という名称で知られてきた。社会人野球の強豪としても知られており、巨人の原監督の父上である原貢氏はここの選手であった。のちに三池工業高校の野球部監督となり、甲子園初出場・初優勝を成し遂げている。東海大相模の監督もつとめた。

三池鉄道45t電車.jpg 三井化学専用線に2両だけ残っている45t級電気機関車。

三池鉄道踏切.jpg 大牟田市のメインストリート旭町に現存する国道踏切。



 *廃止を伝える有明新報(地元紙)
 *三井化学のプレスリリース

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