小田急乗務員企画「8000系界磁チョッパ車で行く鉄道体験ツアー」(その1)

 11月2日、小田急トラベルで表記の鉄道ツアーが実施された。日帰りで7480円といささかお高いが(昼にかかるも弁当なし)、このツアーでは海老名車両基地内のピット線から出発して車両基地内の留置線を経由して秦野で折り返してくるという車庫線ファンとしてはまたとないもの。発売日初日に売り切れとなったが運良く申し込みが出来た。以下、簡単にレポートしておきたい。

 千葉から海老名までどうやってゆこうか。今回は月末の相鉄新線開業の下見を兼ねて、船橋から総武快速/横須賀線横浜~相鉄線全線~海老名と乗り継いだ。ずいぶんと早く着いてしまったが、今まで海老名には下車したことがなかったので駅前の町並みを見物してきた。

 集合は10時に小田急改札前と書かれていたが、実際には歩いて10分ほどの海老名車両基地事務所前であった。要所要所に係員の方が案内に立っておられた。少し早く着いたので、お隣の海老名市民会館のソファーで休息してから車両基地へ向かった。まだ数人しか到着していなかったが、記念品の詰まった封筒(きょうの運行表、8000系登場時のパンフなどがあった)と、首から下げる参加証を頂いた。

 事務所の前に川崎重工業から搬入されたばかりの新5000系の機器が積み上げてあった。昨日甲種貨物輸送で車体が神戸から搬入されたようだが、これから取り付けるのだろう。

 10時15分に受付が終わり、いよいよ8000系に乗車する。研修庫の扉が開けられると、そこに今日の主役8000系が止まっていた。

小田急8000系1.jpg クハ8551他6連の8000系。

 小田急の8000系は1982年から導入されたが、界磁チョッパ制御を採用した最新鋭車であった。しかし、直流モーターを使用する時代が終わり、近年は交流電動機をインバータ制御する高電圧技術が一般化した。小田急8000系は更新に当たってIGBT-VVVFインバータ制御に更新されることになった。しかし、更新時期の関係で2編成だけは界磁チョッパ制御のままで残った。制御装置の独特の音がファンの間で人気を呼んでいた。8000系の界磁チョッパ車が2編成のみとなったのを機に、この編成を使ったツアーが実施されることになった。

 もっとも車両技術的には意味あることだが、私の興味は海老名車両基地内のピット線を走る方にあった。実は私は海老名車両基地の中を電車に乗ったまま走った体験がある。ロマンスカー7000系LSEが1981年ブルーリボン賞を受賞した際に、鉄道友の会の記念ツアーが行なわれ、新宿(地下ホーム)から海老名車両基地まで乗車したのである。このときLSE車は海老名駅ホーム手前で車両基地内に乗り入れてゆき、車庫線でハシゴを使って下車した。その時は何とも思っていなかったが、いま思えば「普段は乗れない車庫線」のさきがけとなるものであった。
 
 今回のツアーは屋外の車庫線ではなく、屋内の研修庫から出発し、小田原方の渡り線を使って秦野へ向かうらしい。というので新たな車庫線走破が期待できそうで、あらためて乗ってみようと思った次第。

 小田急3(研修階段).jpg 研修庫の中で特製ステップを使って乗り込んだ。

 研修庫の中に入るとさっそく8000系に乗り込む。電車は6両編成だった。受付で頂いた参加証に記載された号車に、鉄製のステップを使って乗り込む。2号車は無人扱いで、その他の号車が参加者で埋まった。私は1号車クハ8551号車だ。1982年製の1次車である。

 小田急4(Dコック).jpg 例によってDコック操作で1扉だけ開けられている。

 10:45分にドアーが閉まり、ステップが外された。しばらくして添乗するスタッフが紹介された。運転士と車掌、それに小田急トラベルの係員である。自己紹介があり、運転士、車掌とも熱心な鉄道ファンであることが解った。一番好きな車両は小田急車ではなく、お一方はJR車、もう一人の方は赤い電車に白い帯の会社だという。「きょうは何でも聞いて下さい」と頼もしい限りだ。

 最初に「録音希望者の方はいますか?」との問いかけがあった。界磁チョッパ制御機の音を収めるのが目的で、1号車だけで12名おられた。今回は数少ない界磁チョッパ制御機の音を楽しむツアーなので、なかなか行き届いた配慮である。さすが「小田急乗務員が企画した・・」と銘打つだけのことはある。 

 録音機は2号車に設置できるとのこと。そのために床板のモーター点検板が開けられている。開けたまま営業運転するとは驚きであるが、さすがマニアックなツアーだけのことはある。社内で承認を得る苦労話も聞かされた。2号車は通常の車内放送が切られて、制御機の音がよく伝わるようになっている。希望者は、係員の誘導で各自の録音機を2号車の床に置きに行かれた。

小田急5(1ドアオープン).jpg 6号車の第3扉だけが開いている。

小田急6(ステップ).jpg 乗り込みが終わるとステップが外される。

小田急7(車内).jpg 車内はこんなあんばいだ。

小田急8(運転台).jpg 運転台も見学しておく。インバータ制御に改造されていないので、伝統的な2ハンドルである。

小田急9(ステップ外し).jpg やがてステップが外された。

小田急10(床板録音).jpg 録音マニアのために2号車の床板が開けられ、めいめいが録音機を設置できるようになっていた。


 私も昔は録音マニアであった。が、カセットテープが山のように残り、保存に困るのでやらなくなった。今はデジタルで簡単になったようだが、機器を持っていない。カセット時代の逸品に、小田急SSE車の先頭座席で窓を少しあけて、運転士の信号換呼とまだ全線で吹鳴していたピーポーのオルゴールを記録したものがある。乗客が少なかったので出来たことだが、今回のように小田急自ら録音マニアの要望に応えるとは素晴らしい対応である。


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