静岡車両区回送線の旅3/阪堺電車~大阪難波まで

 天王寺でJR関西本線を降りて、駅前から阪堺電車に乗車した。初めて阪堺に乗車したのは、まだ南海電鉄大阪軌道線と呼ばれていた時代である。鉄道ピクトリアルの連載「私鉄車両めぐり」で大阪軌道線を目にして、ぜひ一度乗ってみたいと思った。私が自分自身で乗り歩きを始めたときには、大阪市電は既になくなっていたが、阪神北大阪線や国道線、南海大阪軌道線はまだまだ元気だった。

 阪堺天王寺駅前電停は、道路の拡張に伴って少しばかり移転している。架線を支える電柱は鉄柱だったが、今回観察してみると、鉄柱はなくなっていた。電車がやってきたのでさっそく乗車する。355号車だ。昭和38年帝国車両製の銘板が付いている。350型は大阪市電を模した500型の車体をしているが、モーター等は旧型車の流用である。

 発車するとツリカケ駆動のいい音がする。これぞ路面電車という雰囲気である。高速道路が横切る阿倍野交差点を通過する。かつては平野線が左分岐していた。ここを過ぎると通りは昔ながらの雰囲気に変わる。架線柱が鉄柱のまま使われている。姫松付近からは下がコンクリ-ト製で上部が」レール状の架線柱に変わる。これはなかなか見かけない形状である。

 帝塚山などの高級住宅地を専用軌道で走って、南海高野線を乗り越える。前には遠足の団体が下車したばかりの回送車が走っている。2台続行がなかなかいい。

 やがて恵美須町から来た阪堺線との合流駅である住吉に至る。ここで下車することにした。運転士に申告してSUICAをタッチして下車した。後からSUICA履歴を見たら、運賃が通算されるようになっていた。

 住吉には信号扱い小屋があった。ここで操作しているようだ。阪堺線側の交通信号の下に電車信号があり、直進か右折かの矢印がでる。南海線の住吉公園駅に至る支線は廃止されてしまったが、その跡はいかにも廃線跡という雰囲気で駐車場になっていった。



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 広くなった道路の中央に従来通りの配列で天王寺駅前電停が設けられている。

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 さっそく乗り込む。昭和38年帝国車両製の350型の運転台である。500型は高性能車だが、350型は車体だけ500型並みでモーター等は旧型車からの流用である。

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 併用軌道や専用軌道を走って住吉で下車した。ここから真っ直ぐ走る住吉公園駅への線は廃止されてしまったが、左折してあびこ道へ向かう。

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 天王寺方面は頻発運転である。反対側からも電車が来た。

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 本数は少ないが恵美須町方からも電車が来た。

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 住吉公園駅跡に至る廃線跡は駐車場になっていた。

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 突き当たりに南海線が見える。

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 住吉電停に天王寺行きがやってきた。ここで右折して専用軌道に入る。背後は住吉大社で初詣などではたいへん賑わう。

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 前方の交通信号機の下に電車信号機がある。上町線に入ってよろしいという右矢印がでた。

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 電車はポイントを渡って右側に入る。ここには有人の信号小屋があり、係員が常駐していた。



 目の前の住吉大社に行ってみようかと思ったが、浜寺方からモ164号がやってきた。青雲塗装の昭和2年生まれの電車である。運用に入っているとは知らなかった。冷房がないので今が活躍の最後だろう。半鋼製の電車なので車内は木造である。床板もモーター部がせり上がっており、木工加工の素晴らしさを示す造作である。モーター音を響かせながら走る。併用軌道ながら交通量が少ないのですいすい走れるが、すぐ西側を南海本線が走っているため、乗客は少ない。天王寺方面に行く上町線の3分の1程度か。

 新今宮駅前電停からはジャンジャン横丁が見える。1駅で終点の恵美須町である。ちょっとした郊外電車の始発駅のような趣きで、通天閣に至る商店街の入口にもなっている。大阪らしいロケーションの駅だが、時代の波には乗り遅れているようにも感じられた。

 電車を降りるとそれまで164号に乗っていた人の何人かが写真を撮り始めた。鉄道ファンが乗っていたことに気が付かなかった。とても豊かな気持ちになって阪堺電車を後にすることができた。

 恵美須町から難波へ向かう。どうやって行こうかと思ったが、地下鉄堺筋線~千日前線を乗り継ぐことにした。きょうは難波でブログでお世話になっているTakehopeさんと会食する手はずになっているのだ。

 近鉄の大阪難波駅で待ち合わせて,Takehopeさんにお連れ頂いた串揚げの店に行った。実は、大阪で串揚げを食べたのは初めてだったのでいい経験になった。楽しい鉄道談義が続いて、次回は同好の士もお誘いして飲みましょうという話となった。近鉄特急発車15分前に席を立って難波駅に向かった。


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 恵美須町行きを待っていると、何と青雲復刻塗装車のモ165号がやってきた。昨年12月23日から今年5月中旬までの期間限定車である。

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 後部運転台を眺める。なかなか賑やかだ。

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 車内の見通し。モーターがある後部台車上付近の床板が盛り上がっている。

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 昭和弐年神戸川崎車輌会社製である。右書きの製造所銘板と、かつては車掌ベルのヒモが通っていたと思われる穴が右下に見える。

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 終点の恵美須町に着いた。乗車中は気が付かなかったが、164号車ということで同好の士が数名乗車され、皆さん写真を撮っておられた。

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 車体へのペイント書き標記。

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 阪堺電鉄の社紋がついていた。この後地下鉄を乗りついで難波に出かけた。



 ・天王寺駅前14:05 (阪堺電車)→住吉  *355に乗車
 ・住吉14:30(阪堺電車)→14:45恵美須町    *164に乗車
 ・恵美須町14:52(大阪メトロ堺筋線高槻市行き)→日本橋  *66006に乗車
 ・日本橋14:59(大阪メトロ千日前線野田阪神行き)→難波  *25915に乗車

 ・大阪難波18:23(近鉄大阪線特急)→20:30近鉄名古屋  *アーバンライナープラス20202に乗車  
 *名鉄イン名古屋駅前(泊)


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